健康ペディア

  • トランス脂肪酸を避けた食生活を

    昨今トランス脂肪酸が身体に悪いと言われていますが、そもそもトランス脂肪酸とは何なのでしょうか?

    脂肪酸は脂質を構成している成分で、大きく分けると飽和脂肪酸不飽和脂肪酸の2つに分類されています。飽和脂肪酸は乳製品や肉などに多く含まれ、不飽和脂肪酸は魚や植物油に多く含まれている成分です。不飽和脂肪酸の中にあって、トランス型の化学構造を持つものをトランス脂肪酸と呼びます。

    もともと脂質は三大栄養素の一つであり、人間が生きていく為には必要不可欠な栄養素です。脂質の摂取量が少なければ、脳機能の低下や体温調節などに問題が出てきますし、摂りすぎると肥満や生活習慣病になる可能性が高まります。その為厚生労働省が、脂質はこの程度の量を摂るべきという目標量を示しています。どの栄養素にしてもそうですが、適量が大事ということですね。

    脂質は適度に摂らなくてはいけないのですが、トランス脂肪酸は全く摂る必要がありません。トランス脂肪酸は、摂りすぎると善玉コレステロールを減らし悪玉コレステロールを増やす、動脈硬化の危険性が高まるなどのマイナス作用がある事が研究によりわかっていますので、トランス脂肪酸を含まない脂質を摂る必要がありますね。

    商品によって差がありますが、一般的にトランス脂肪酸の多い食品は以下のようなものです。毎日の食事の中で、できるだけトランス脂肪酸は避けるようにしましょう。

    穀類:クロワッサン、菓子パン、パイ、ポップコーンなど
    菓子類:クッキー、ビスケット、ドーナツなど
    油脂類:マーガリン、ショートニング、ファットスプレッドなど
    乳類:コンパウンドクリーム、コーヒークリームなど
    インスタント、レトルト、冷凍食品に多く含まれます

    様々な食品に含まれている為、むやみに神経質になることはありませんが、頭の隅に留めておいて摂取量を減らすように心掛けましょう。

  • 大豆は健康の源

    世界でも有数の長寿国である日本。世界的に健康への関心が高まっていることもあり、大豆・緑茶・魚・米などを中心にした日本食は世界各地でブームを起こしています。
    中でも特に注目されている食材が『大豆』です。

    畑の肉とも言われる大豆は、タンパク質が30%もあり、アミノ酸組成も植物性タンパク質の中で群を抜いて優秀です。脂質も20%前後含まれており、オレイン酸、リノール酸等の必須脂肪酸を多く含んでいます。ビタミンミネラルも豊富です。また、大豆イソフラボンや大豆サポニンなど多くの健康効果を持つ栄養素を含んでいることで注目を浴びています。

    しかし、これだけ豊富な栄養素を含む大豆ですが、大豆は組織が非常に硬くて消化や吸収率が悪いという欠点があります。豆腐や納豆、豆乳など加工された食品は消化吸収が良いので、積極的に食べるようにしましょう。また、ビタミンCは含まれていないので、果物や緑黄色野菜などと食べるとバランスが良くなりますよ。

  • 和食のススメ

    私たちが毎日とっている食事は、欧米化してきています。肉類が中心で油脂を使った料理法が多く、動物性タンパク質や脂肪の過剰摂取の傾向にあります。
    その結果として欧米諸国の上位疾病といわれる心臓疾患や糖尿病、痛風さらに大腸ガンなどが多くなり、ここで改めて和食の見直しがされてきました。和食は洋食に比べて季節感、色彩が豊富であり、目で楽しみ、自然を味わうことのできる変化に富んだ心豊かな食事です。
    栄養面からみても、タンパク質としての豆腐や大豆製品の植物性タンパク質の使用が多く、また洋食に比べ、が中心であり、コレステロールが肉類に比べて少なく、消化吸収にも良いのです。
    動脈硬化や大腸ガンなどの予防に役立つ食物繊維や、ビタミン、ミネラルの微量栄養素も豊富に含み、四季折々の野菜類、そして四方海に囲まれている我が国ならではの海藻類などが豊富に使われています。アメリカではヘルシーな食事としての評判が高く、その需要も増え日本食のお店も多く見られるようになりました。再度自分の食生活を見直してみるのも良いかもしれませんね。

  • 肝腎が肝心に

    「かんじんかなめ」という言葉がありますが、一番大切な事を昔の人は「肝腎」と書きました。
    人体で一番大切な肝臓腎臓をとって、これ以上大切なものは無いという意味で使ったのです。
    ところが常用漢字の制限により、いつの間にか「肝心」となりました。
    人間の内臓で一番大切なものの1つが「腎臓」から「心臓」に変わったわけです。
    どれも勿論大切な臓器ですが、「肝心」なことは、肝臓が人体にとって極めて大切な臓器ということです。
    人間の体は60兆の細胞から成り立っていますが、肝臓はその細胞を製造する臓器です。また、解毒、分解、熱産生その他物質代謝の中枢であり、これは人体の化学工場に当たるわけですから、この機能が低下すると大変な事になります。

  • 夏も快適に

    今年はなかなか梅雨があけず、ムシムシした毎日が続いていますが、
    もうまもなく、梅雨明け。暑い、暑い夏がやってきます。
    「体がだるい、食欲が無い、やる気がおきない、眠れない・・・」
    等の『夏ばて』の様々な症状が出やすいのもこの時期です。
    夏ばては免疫力まで下げてしまいますので、夏ばてを解消して、
    元気に夏を乗り切りましょう。
    ●夏ばての原因
     発汗で失われた水分、ミネラル、ビタミン不足、食欲不振による
     消化機能の低下と栄養不足、暑さによる寝不足、冷房の温度差、
     ストレスなどです。
    ●夏ばて解消法
     1)十分な栄養
       朝ごはんは涼しいうちにしっかり食べましょう。食べることによって、
       胃腸が働き、食欲もでやすくなります。たんぱく質、ビタミン、
       ミネラルをバランスよく摂りましょう。
     2)快適な睡眠
       エアコンは付けっぱなしで寝ないように。冷たい空気が直接
       体にあたると体が疲れてしまいます。除湿機や扇風機を上手に
       使いましょう。風通しを良くするだけで涼しく感じます。
     3)お風呂でリラックス
       シャワーよりも、ぬるめのお風呂が効果的です。半身浴は血液の
       循環がよくなり、新陳代謝が活発になります。
     4)温度差に気をつけて
       激しい温度差は自律神経が乱れやすくなります。結果として、
       頭痛、だるさ、めまい、食欲不振等を招きますので、外気との
       温度差は、5度ぐらいを目安にしましょう。また、膝掛けや上着を
       用意して、冷房対策も忘れずに。
     5)水分補給
       脱水症状にならないように、のどが渇いたらこまめに水分を
       取りましょう。甘い飲み物は疲労回復の効果はありますが、
       飲みすぎると空腹を感じさせなくなってしますので、飲みすぎには
       注意。また、冷房の効いた部屋で過ごす時間の長い人は、
       温かい飲み物も上手に取り入れてください。
     6)軽い運動
       体を動かして基礎体力をつけましょう。体を動かすと、血液の
       循環がよくなり、自律神経の働きがよくなり、疲れもとりやすく
       なります。心拍数が120拍/分前後の強さの有酸素運動等を
       1日30-60分程度行うと効果的です。
    免疫力は夏の間に高まりますので、この夏を元気に乗りきると、
    秋・冬に風邪を引きにくくなります。